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セイコー プロスペックス SBDC199 ダイバースキューバ 300m キャリバー 6R55が新登場。

セイコー プロスペックス SBDC199 ダイバースキューバ 300m キャリバー 6R55が新登場。

セイコーは、1881年に服部時計店として創業して以来、「常に時代の一歩先を行く」という創業者の服部金太郎の信条を貫き、革新を続けてきました。その歩みの中で、1924年に初めてSEIKOの名を冠した腕時計を発売し、2024年にSEIKOブランド誕生100周年を迎えました。

セイコープロスペックスから、夜景が織りなす輝きをテーマに、チャコールグレーの文字板に、アニバーサリーイヤーを祝うゴールドカラーの差し色が施されたスペシャルエディションモデルが登場します。

スーパーコピー時計代引き 優良サイト全8モデル中4番目のSEIKOブランド誕生100周年モデルが登場です。

今回は限定数量がないモデルのようですね。SEIKOブランド誕生100周年を記念したチャコールグレーにゴールドが映えるスペシャルエディション SBDC199のベースとなったのは、新しいメカニカルダイバーズ 1965 ヘリテージ・シリーズ。キャリバー6R55を搭載、スペックアップし300m防水となっております。6月発売予定、国内定価は203,500円。カラーリングは夜景が織りなす輝きをイメージしているそう。

大人気だったSBDC101の新型と言う事になります。

↑新型の記事はこちらから

本作に搭載される、メカニカルキャリバー「6R55」は、3日間(約72時間)のロングパワーリザーブを可能にしたムーブメントで、このモデルの信頼性をより一層高めるものです。

また、空気潜水用ダイバーズウオッチとしてはセイコーで最高のスペックとなる300m防水を備えています。さらに、日付窓を4時と5時の間に配置したことで、12か所のインデックスがルミブライトで発光するので、よりシンメトリーなデザインとなり、暗い状況下での更に高い視認性も確保しました。

本作はセイコーのダイバーズウオッチに求められる信頼性、安全性、使いやすさはそのままに、「SBDC101」よりコンパクトにデザインされました。ステンレススチール製ベゼルにはアルミニウムプレートがインサートされ、クラシカルな雰囲気のデザインとなっています。レーザー加工によって彫り込まれたダイビングスケールに塗料を入れることで、精緻に仕上げるとともに、長期間の使用による塗料の剝離を防ぎます。

 今回、新たに開発したブレスレットは、しなやかに動く短いピッチのこまとコンパクトなバックルで構成され、サイズダウンしたケースとの組み合わせにより、心地よい装着感を実現しました。

スペシャルモデルならではの特別仕様として、環境に配慮したペットボトル再生原料を100%使用した、ファブリックの替えストラップが付属します。「製紐(せいちゅう)」と呼ばれる日本の伝統技術が用いられた技法で編み込まれた、立体的で豊かな表情の織り柄が特徴です。この「製紐」のストラップも、セイコーダイバーズウオッチの厳しい基準をクリアしており、タフな使用環境での長時間使用にも耐え得る丈夫さを備えています。また、しなやかで通気性に優れ、常に心地よい肌触りを保つストラップです。

レギュラーモデルは176,000円、交換ストラップが付属しているので203,500円はそんなに高くないかな?

100周年モデルはSBDC105に似ていますね。因みにSBDC105なら137,500円で購入できます。

SBDC199

SBDC199
プロスペックス
Diver Scuba
203,500 円(税込)
2024年6月 発売予定
SEIKO ブランド 100周年記念 メカニカルダイバーズ 1965 ヘリテージ スペシャルエディション
セイコーグローバルブランドコアショップ専用モデル

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Specifications
ムーブメント
キャリバーNo 6R55
駆動方式 メカニカル 自動巻(手巻つき)
精度 日差+25秒~-15秒
駆動期間 最大巻上時約72時間持続
石数 24石
機能 秒針停止機能
ケース・バンド
ケース材質 ステンレス
ケースコーティング ダイヤシールド
ケースサイズ 厚さ:13.0mm 横:40.0mm 縦:46.4mm
ガラス材質 カーブサファイア
ガラスコーティング 内面無反射コーティング
ルミブライト あり(針・インデックス・ベゼル)
中留 ワンプッシュダイバーエクステンダー方式
時計仕様
防水 300m潜水用防水
耐磁 あり
その他特徴
裏ぶた「SPECIAL EDITION」表記 逆回転防止ベゼル ねじロック式りゅうず
ポリエステル替えバンドつき ダブルロック中留 スクリューバック

夜光もバッチリ。

厚みと重さが最大のネックです。

ジャストフィットさせて少しでも気にならないようにしましょう。NATOストラップをメインにするのもありです。

もちろんダイバーズウォッチなので、延長パーツ付き。

ベゼルのマット感が格好良い。

良いですね。すごく良い。

まとめ

いかがでしょうか?

「【2024年新作】セイコー プロスペックス SBDC199 ダイバースキューバ 300m キャリバー 6R55 SEIKOブランド100周年記念」でした。

ダイバースキューバ1965ヘリテージの新型アップデートのタイミングなので思い切ってファーストダイバーデザインで攻めた方がインパクトあったような気もしますが「夜景が織りなす輝き」になりました。モノはきっと良いので長く使えるダイバーズウォッチになるでしょう。雰囲気良いですし。

既にリリースされた100周年モデルたちは国内販売分完売していますので、注目度は高そうです。

オーデマ・ピゲ サンドゴールド製ロイヤルオーク と ジョン・メイヤー限定ロイヤルオークが新登場。

オーデマ・ピゲ サンドゴールド製ロイヤルオーク と ジョン・メイヤー限定ロイヤルオークが新登場。

今年の目玉モデルはこの2本でしょう。サンドゴールド製ロイヤルオーク フライング トゥールビヨン オープンワーク 26735SG.OO.1320SG.01と ジョン・メイヤー限定ロイヤルオーク パーペチュアルカレンダー 26574BC.OO.1220BC.02。

オーデマピゲコピー代引き 優良サイトまずは聞いたこと無い素材「サンドゴールド」製の26735SG.OO.1320SG.01です。サンドゴールドなので型番の末尾は「SG」。

新しい「ロイヤル オーク フライングトゥールビヨンオープンワーク」の41 mmは、美しく光り輝く新しい18Kサンドゴールド製です。ホワイトゴールドとピンクゴールドの中間のようなニュアンスで、アングルと光によりカラーニュアンスが変化する素晴らしいデザイン的価値を秘めた合金です。

配分はわかりませんがホワイトゴールドとピンクゴールドを混ぜて「砂」のようなベージュカラーの18K合金を作り上げました。光の当たり方でシルバーにもピンクゴールドのようにも見えるそうです。

オープンワークのブリッジたちも同じサンドゴールド製。ちょうど「デューン」のおさらいをしていたタイミングなので惑星アラキスの美しい砂丘の様です。

26735SG.OO.1320SG.01

ロイヤルオーク
フライング トゥールビヨン オープンワーク
Ref. 26735SG.OO.1320SG.01
価格要問合せ(250,000ドル・・・約36,966,600円)

41 mmのタイムピースはホワイトゴールドと18Kゴールド合金であるサンドゴールド製で、ホワイトとピンクゴールドの間のニュアンスカラーで輝きます。多層構造のオープンワークムーブメントはサンドゴールドカラーとロジウムカラーを組み合わせています。

ケース
素材 18Kサンドゴールド
防水 50 メートル
サイズ 41 ミリ

文字盤
サンドゴールドカラーのインナーベゼル、蓄光処理を施したホワイトゴールドのアプライドアワーマーカーとロイヤル オーク針。

ブレスレット
18Kサンドゴールドブレスレット、APフォールディングバックル。

キャリバー2972
機能 フライング トゥールビヨン、時、分。
石数 27
メカニズム 自動巻き
パワーリザーブ 65 h
外径 31.5 ミリ
部品数 271
周波数 3 Hz 21,600 振動/時
厚さ 6.2 mm

続いてジョン・メイヤーコラボレーション 200本限定 ロイヤルオーク パーペチュアルカレンダー 26574BC.OO.1220BC.02です。世界的なギタリストで時計愛好家でもあるジョン・メイヤーさんとのコラボレーションモデルです。ホワイトゴールドケースにパーペチュアルカレンダームーブメント
キャリバー5134を搭載。

オーデマ ピゲは米国出身のシンガー/ギタリストで時計コレクターであるジョン・メイヤーとコラボレーションし、マニュファクチュールの自動巻きキャリバー5134を搭載した最新の「ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー」の限定モデルをデザインしました。

この機会にジョン・メイヤーの感性でデザインした18Kホワイトゴールドのタイムピースは、ロイヤル オークの魅力的なデザインとパワーを、洗練を極めた複雑機構であるパーペチュアルカレンダーに融合させました。

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先日のトラヴィス・スコット コラボレーションモデルに続き、アメリカ人ミュージシャンでオーデマ・ピゲ愛好家をフューチャーした特別なモデルとなります。メッシもそう、レブロンもそうですがアーティストやスポーツ選手のトップオブトップと組むのが上手ですね。

まだ皆がロイヤルオーク、ロイヤルオーク言う前は、シャックやシュワちゃんとのコラボレーションウォッチが出ていましたが、1番驚いたのはK-1ファイターの魔裟斗さんとのモデルですね。

歴史と永遠の融合
ジョン・メイヤーがオーデマ ピゲのチームと協力し、絵画的な文字盤をデザインしました。そのテキスチャーと広大さはオーデマ ピゲの世界を当初からかたちづくってきたコンプリケーションに深みを与えます。すべてのディテールが調和し、タイムピースに無限の広がりを感じさせます。

新デザインの文字盤のきらめく仕上げは、ジョン・メイヤーのクリスタル ダイヤルに生命感を吹き込みます。水晶のような不規則なフォルムで構成されたエンボスモチーフは、シャープなアングルとファセットがピースに輝きと深みを与えます。このようなハイレベルで複雑なディテールを実現するスタンピングの型は、金属を蒸着させる電鋳技術により原子単位のレベルで加工されています。

立体感のある加工がされたなんだか凄く不思議な文字盤ですね。舗装したての黒いアスファルトみたいなゴツゴツ感。小さな文字盤の上でこんな複雑な加工がされているのが驚きです。

26574BC.OO.1220BC.02

ロイヤルオーク
パーペチュアルカレンダー “ジョン・メイヤー” 限定モデル
限定200本
Ref. 26574BC.OO.1220BC.02
価格要問合せ(180,700ドル・・・約26,693,300円)

ジョン・メイヤーとのコラボレーションで誕生した限定モデルは、18Kホワイトゴールドのケースとブレスレットに、ダークブルートーンに輝くダイヤルはマニュファクチュールの新しいエンボス加工「クリスタルサンド」仕上げ。自動巻きパーペチュアルカレンダーのキャリバー5134を搭載した最終のタイムピース。

ケース
素材 18Kホワイトゴールド
防水 20 メートル
サイズ 41 ミリ

文字盤
ブルークリスタルサンド仕上げのダイヤル、蓄光処理を施したホワイトゴールドのアプライドアワーマーカーとロイヤル オーク針。

ブレスレット
18Kホワイトゴールドブレスレット、APフォールディングバックル。

キャリバー5134
機能 週表示つきパーペチュアルカレンダー、デイデイト表示、アストロノミカルムーン、月、閏年表示、時、分 。
石数 38
メカニズム 自動巻き
パワーリザーブ 40 h
外径 29 ミリ
部品数 374
周波数 2.75 Hz 19,800 振動/時
厚さ 4.5 mm

まとめ

いかがでしょうか?

「【2024年新作】オーデマ・ピゲ サンドゴールド製ロイヤルオーク と ジョン・メイヤー限定ロイヤルオーク」でした。

サンドゴールドは実際に見てみたいですね。どんな色合いなのかとても気になります。ジョン・メイヤーさんとのコラボはコレで終わりじゃないみたいなことをインスタグラムで言ってますので、また次回作も楽しみです。

2024年に発表されたクロノグラフから、ベストだと思う5本を選出した。

どれも個性的でアイコニックな魅力にあふれた腕時計ばかり。選ばれるのが当然なモデルで占められているが、どこかドイツ的なセンスを感じるチョイスである。なお、ランキング形式ではなく、順不同だ。

ドイツ的2024年のベストクロノグラフがこれだ!
『ウォッチタイム』ドイツ版編集部が2024年に発売されたクロノグラフウォッチの中からベスト5を選出。アイコニックなデザイン、そして心をつかんで離さない文字盤のモデルばかりだ。なお、ランキング形式ではなく、順不同での紹介となる。

ショパール「アルパイン イーグル XL クロノ」チタンモデル
ショパール アルパイン イーグル XL クロノ
ショパール「アルパイン イーグル XL クロノ」Ref.298609-3008
自動巻き(Cal.CHOPARD 03.05-C)。45石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。Tiケース(直径44mm、厚さ13.15mm)。100m防水。ショパールブティック限定。369万6000円(税込み)(問)。ショパール ジャパン プレス Tel.03-5524-8922
 ショパールが満を持して発表した、「アルパイン イーグル XL クロノ」のチタンモデルが持つ並外れた魅力は、まずは文字盤にあるだろう。この文字盤から目を背けることは難しい。モデル名にも採用された、イーグルの瞳の虹彩からインスパイアされたラインが描き出す模様、そしてローヌ・ブルーと呼ばれるアイスブルーカラーが、実際のイーグルの瞳以上に魅力的な印象を与えている。

 時・分針およびアワーインデックスにはスーパールミノバX1が塗布されており、暗闇での視認性も申し分ない。文字盤とベゼルを含む、正面から見たデザインは、ケースやストラップといった、腕時計の他の部分と見事に調和していると言えるだろう。そう思わせる重要な要素は、ベゼル上4カ所にある2本のネジ。この意匠のオリジンは、1980年に発表された「サンモリッツ」にさかのぼるものだ。

 チタン製ケースの直径は44mm、厚さは13.15mmである。なお、リュウズとプッシャーは、ルーセントスティール製だ。自動巻きムーブメントCal.CHOPARD 03.05-Cは、クロノグラフ機構の制御にコラムホイールを採用。また、クロノグラフのリセット用に、エラスティックアームを備えた3つのハンマーが用いられている。『ウォッチタイム』ドイツ版の9月、10月合併号では、この腕時計をテスト企画で取り上げており、上位の成績を達成した。

ホワイト文字盤「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」
オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル
オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」Ref.310.30.42.50.04.001
手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.2mm)。50m防水。125万4000円(税込み)。(問)オメガ Tel.0570-000087
スーパーコピー代引き専門店この腕時計に即座に反応するオメガファンは、長らくホワイト文字盤のムーンウォッチを心待ちにしていたに違いない。2023年11月にアメリカ合衆国・ニューヨークで開催されたイベント、プラネット オメガでのこと。6代目ジェームズ・ボンドであるダニエル・クレイズが、このホワイトのムーンウォッチを身につけて現れたのだった。これが本作の初お披露目となった。

 2024年3月初頭、オメガは公式にホワイト文字盤を備えた「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」を発表。すぐに話題となり、カルト的な人気を獲得した。ダブルドームのサファイアクリスタル製風防、ドット・オーバー・ナインティが記された、アルミニウムインサートベゼルが、この腕時計の特徴として挙げられるだろう。文字盤の外縁にはミニッツトラックが配されており、分と分の間は、搭載するムーブメントCal. 3861の3Hz振動(2万1600振動/時)に合わせて、3分割されている。

 手巻きムーブメントのCal. 3861は、シリコン製ヒゲゼンマイを備え、厳格な検査であるマスター クロノメーターの基準を満たしているため、1万5000ガウスの磁場に耐えることができる。パワーリザーブは約50時間、防水性能は50m防水だ。

 ブレスレットとストラップは、3種類から選ぶことができる。エクステンション付きのステンレススティール製ブレスレットを備えたRef. 310.30.42.50.04.001(125万4000円(税込み))と、ブラックカラーのラバーストラップを備えたRef.310.32.42.50.04.001(119万9000(税込み))、小さな穴の空いたレーシング仕様のレザーストラップが付属するRef. 310.32.42.50.04.002(119万9000(税込み))だ。

“パンダ”文字盤「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」
タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ Ref. CBS2216.BA0041
タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」Ref. CBS2216.BA0041
自動巻き(Cal.TH20-00)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径39mm)。100m防水。94万500円(税込み)。(問)LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー Tel.03-5635-7030
 小さめサイズのクロノグラフには独特な魅力があり、そのファンは増加の一途をたどっている。“パンダ文字盤”のタグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」は、直径39mmというサイズに適したデザインがなされた腕時計だ。ステンレススティール製の本作の全体のバランスはとてもよく、一度着用すると手放せなくなるに違いない。それに加えて、絶妙な針の長さ、中心部分がへこんだマッシュルーム型プッシャー、盛り上がった外周部分を持つくぼんだ文字盤という特徴が魅力の源だ。

 この腕時計では、クロノグラフ機能に関する針はレッドカラーで塗られている。そのため、時刻表示に用いられる針と容易に区別することが可能だ。ボックス型のサファイアクリスタル製風防は、シルバーカラーの文字盤をフードのように覆っており、独特な印象を与えている。

 本作は裏蓋側も十二分に注目に値する。サファイアクリスタルを用いた裏蓋からは、自社製ムーブメントCal.TH20-00をながめることができる。コート・ド・ジュネーブで仕上げられたブリッジと、クロノグラフ制御用のコラムホイールを見て楽しめるのだ。「TAG HEUER TH-20 THIRTY-THREE(33) JEWELS SWISS」という文言が入れられた、スケルトン仕様の回転ローターにも要注目である。

“デューン”文字盤「ポルトギーゼ・クロノグラフ」
IWC ポルトギーゼ・クロノグラフ
IWC「ポルトギーゼ・クロノグラフ」Ref. IW371624
自動巻き(Cal.69355)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。SSケース(直径41mm、厚さ13.1mm)。3気圧防水。123万7500円(税込み)。(問)IWC Tel.0120-05-1868
 良いプロポーション。これはIWC「ポルトギーゼ」の強みと言えるだろう。大きなサイズの腕時計として発表された、ステンレススティール製ケースの41mmのポルトギーゼは、実際の直径よりも大きく見える。この腕時計の細いベゼルのためだろう。このために、デューンと名付けられたサンドカラー文字盤をよく見わたすことができる。

 30分積算計が12時位置、スモールセコンドが6時位置という、インダイアルが垂直に配置されたレイアウトは、IWCのDNAを表現したものだ。サンセリフ体のアラビア数字インデックスと、繊細な針によって、本作の正面デザインはとても魅力的であり、マッシュルーム型プッシャーともマッチしている。搭載するムーブメントはIWCの自動巻きムーブメントCal.69355。付属するストラップはブラックカラーのアリゲーターストラップだ。

ジン「156.1」
ジン 156.1
ジン「156.1」
自動巻き(Cal.SZ01)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。SSケース(直径43mm、厚さ15.45mm)。10気圧防水。92万4000円。(問)ホッタ Tel.03-5148-2174
 ジンが2024年9月に発表した「156.1」は、視認性に優れた興味深いデザインの文字盤と、注目に値する歴史的背景を持つ、傷に強いケースを組み合わせたモデルである。156.1はジンが1980年代から1990年代にかけて販売していた「155」と「156」の系譜に属するモデルだ。「155」はホイヤーによるドイツ連邦軍のRef.1550SGを、ヘルムート・ジンがブラッシュアップした腕時計である。

1994年にオーナーとなったローター・シュミットは、ケースの改良を行い、いくつかのモデルにそのケースを採用。2024年に発表された最新モデルに至るまでこのケースは採用されている。本作の特徴はいくつか挙げられるだろう。まずはジン自社製の自動巻きムーブメント、Cal.SZ01を搭載していることだ。加えて、航空機の機体をあしらった60分積算計用の針と、耐傷性に優れたテギメント加工が施され、蓄光塗料により夜間でも高い視認性を誇るベゼルが挙げられるだろう。ストラップ、ブレスレットの選択肢の幅の広さも特徴と言える。

 156.1のベゼルは広く、実際の直径である43mmよりも小さな印象を受ける。前出のIWCのポルトギーゼ・クロノグラフとは対照的だ。

グランドセイコーには、通称「白樺モデル」と呼ばれるモデルが存在する。

「エボリューション9 コレクション」のRef.SLGH005とRef.SLGA009だ。なぜ白樺と呼ばれているのかを明らかにするとともに、2モデルの特徴や違いも併せて解説する。

グランドセイコーの“白樺モデル”とは
グランドセイコーの白樺モデルRef.SLGH005とRef.SLGA009は、前者が2021年、後者が2022年に発表されたモデルだ。まずは、これら2モデルの特徴と違いを見ていこう。

白樺パターンの文字盤を備えたRef.SLGH005とRef.SLGA009
Ref.SLGH005とRef.SLGA009は、いずれも白樺をモチーフとしたダイアルを備えている。2モデルが「白樺モデル」と呼ばれるゆえんだ。

なお、グランドセイコーには白樺林をモチーフとした文字盤を持つモデルが、他にも多数存在する。しかし、そのなかでも「白樺モデル」と呼ばれているのはRef.SLGH005とRef.SLGA009のふたつだけであり、それ以外は厳密には「白樺モデル」ではない。

ふたつの“白樺モデル”の違い
Ref.SLGH005とRef.SLGA009は、搭載するムーブメントの種類が異なっている。Ref.SLGH005が機械式ムーブメントを搭載しているのに対し、Ref.SLGA009が搭載しているのはスプリングドライブムーブメントである。

フランクミュラー スーパーコピー代引き専門店またふたつのモデルは、モチーフとなった白樺林の場所も違う。グランドセイコーの機械式時計とスプリングドライブモデルは別の工房で製造されており、それぞれが製造拠点の近くに群生する白樺林をインスピレーションソースにしているのだ。

Ref.SLGH005とRef.SLGA009を比べると、文字盤のデザインや色味も少し異なっていることが分かる。これは、それぞれの白樺林が持つイメージの違いを、文字盤のデザインや色味で表現しているためだ。

グランドセイコー「エボリューション9 コレクション」Ref.SLGH005
グランドセイコーの白樺モデルのうち、機械式時計として登場したのがRef.SLGH005である。デザインやムーブメントの特徴を詳しく見ていこう。

グランドセイコー SLGH005

グランドセイコー「エボリューション9 コレクション」Ref.SLGH005
自動巻き(Cal.9SA5)。47石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.7mm)。10気圧防水。127万6000円(税込み)。

岩手県の白樺林をモチーフにした文字盤
Ref.SLGH005の文字盤は、岩手県の白樺林をモチーフにしている。グランドセイコー機械式モデルの製造拠点である「グランドセイコースタジオ 雫石」の近くに群生する、日本屈指の白樺林だ。

力強く壮麗なイメージを放つこの白樺林を、白樺の樹皮のような型打模様と雪を思わせる銀白色で表現している。

Ref.SLGH005とRef.SLGA009の文字盤を比較すると、Ref.SLGH005の方が文字盤の凹凸が強調されているため、よりダイナミックな印象を受ける。

グランドセイコー SLGH005

力強い型打ち模様と繊細なカラーリングによって、グランドセイコースタジオ 雫石の近くにある白樺林が見せる神秘的な光景を表現した、Ref.SLGH005の文字盤。その有機的なパターンと、エッジの効いたインデックスや針との組み合わせからは、グランドセイコーの独創性も感じられる。

機械式ムーブメントCal.9SA5を搭載
Ref.SLGH005に搭載されているCal.9SA5は、20年に誕生したグランドセイコー専用の機械式ムーブメントだ。

主ゼンマイの伝導効率を飛躍的に高めるデュアルインパルス脱進機と、慣性モーメントが大きいテンプの搭載を可能にしたツインバレルにより、3万6000振動/時のハイビートでありながら最大巻上時約80時間のパワーリザーブを発揮する。

水平輪列構造により薄型化を実現させている点も特徴である。さらに、重心位置を下げることで、より快適な装着感が得られるようになっている。

裏蓋から見える「雫石川仕上げ」
裏蓋から見えるムーブメントの仕上げに凝っている点も、グランドセイコー白樺モデルの魅力だ。

Ref.SLGH005の裏側には、季節の変化に富んだ雫石川の流れをイメージした、繊細なストライプ模様の「雫石川仕上げ」が施されている。

グランドセイコー SLGH005

3万6000振動/時の高振動でありながら約80時間のパワーリザーブを確保し、薄型化も実現したCal.9SA5を搭載。ムーブメントには雫石川の流れに着想を得たストライプ模様も施され、文字盤と同様、雄大な自然の情景を表現している。

グランドセイコー「エボリューション9 コレクション」Ref.SLGA009
Ref.SLGA009は、グランドセイコー独自のスプリングドライブを搭載した白樺モデルである。Ref.SLGH005と比較しながら、Ref.SLGA009の特徴や魅力を紹介する。

グランドセイコー SLGA009
グランドセイコー「エボリューション9 コレクション」Ref.SLGA009
自動巻きスプリングドライブ(Cal.9RA2)。38石。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.8mm)。10気圧防水。127万6000円(税込み)。

長野県の白樺林をモチーフにした文字盤
グランドセイコーのスプリングドライブモデルは、長野県の「信州 時の匠工房」で製造されている。Ref.SLGA009の文字盤のモチーフになっているのは、この工房近くにある日本有数の白樺林だ。

Ref.SLGH005が壮麗で力強い白樺林を表現しているのに対し、SLGA009ではスプリングドライブの流れるような針の動きに呼応するかのような白樺林の静けさを表現している。

Ref.SLGA009の文字盤はRef.SLGH005より凹凸が少なく、上品な印象を受ける。Ref.SLGH005が「動」を感じさせるのに対し、Ref.SLGA009は「静」を表現したモデルといえるだろう。

グランドセイコー SLGA009

Ref.SLGA009の文字盤に表現されているのは、「信州 時の匠工房」の近隣に広がる広大な白樺林。Ref.SLGH005よりも凹凸の少ない、繊細な型打ち模様を施すことで、雪深い白樺林に漂う静謐な雰囲気を表現した。

スプリングドライブムーブメントCal.9RA2を搭載
独自ムーブメントのスプリングドライブは、機械式とクォーツ両方の要素を併せ持つ駆動システムである。主ゼンマイの動力のみでクォーツと同等の精度を発揮する一方、電池やモーター、蓄電池は内蔵されていない。

SLGA009に搭載されているCal.9RA2は、20年に誕生した高性能スプリングドライブムーブメントCal.9RA5と同等のスペックでありながら、パワーリザーブ表示を裏側に配することで薄型化に成功したムーブメントだ。

大きさの異なるふたつの香箱を並べて配置した「デュアルサイズバレル」により、従来の約72時間を大幅に超える、約120時間のロングパワーリザーブを実現している。

裏蓋から見える「信州霧氷仕上げ」
Ref.SLGA009の裏蓋からは、スプリングドライブの製造拠点である信州の自然に敬意を込めた、信州霧氷仕上げを堪能できる。

受の表面に施された梨地加工で霧氷を表現し、受の稜線や端面、穴に施されたダイヤモンドカットでは夜空にきらめく星のような深遠な輝きを実現している。

インジケーター針とネジには、Ref.SLGH005では使われていないブルースティールを採用し、Ref.SLGA009ならではの静謐(せいひつ)なイメージをより強調している。

グランドセイコー SLGA009

デュアルサイズバレルの採用によって、約120時間ものパワーリザーブを確保するとともに、平均月差±10秒の高精度も実現したスプリングドライブムーブメントCal.9RA2を搭載。ケースバックからは厳寒期の信州地方で見られる霧氷を表現した信州霧氷仕上げが確認でき、Ref.SLGH005とは異なる繊細な表情が楽しめる。

2024年にも、新しい白樺モチーフの文字盤が登場
2024年にも、白樺の樹皮(バーチバーク)をモチーフとしたモデルが登場している。「エボリューション9 コレクション 手巻メカニカルハイビート 36000 80 Hours」だ。

グランドセイコー エボリューション9 SLGW003
グランドセイコー「エボリューション9 コレクション 手巻メカニカルハイビート 36000 80 Hours」Ref.SLGW003
手巻き(Cal.9SA4)。47石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約80時間。ブリリアントハードチタンケース(直径38.6mm、厚さ9.95mm)。3気圧防水。152万9000円(税込み)。
グランドセイコー「エボリューション9 コレクション 手巻メカニカルハイビート36000 80 Hours モデル SLGW002」
グランドセイコー「エボリューション9 コレクション 手巻メカニカルハイビート36000 80 Hours モデル」Ref.SLGW002
手巻き(Cal.9SA4)。47石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約80時間。18KPGケース(直径38.6mm、厚さ9.95mm)。3気圧防水。世界限定80本(うち国内50本)。605万円(税込み)。
新型ムーブメントCal.9SA4とともにリリースされたモデルで、「心地よい巻上げ感と音」を追求した手巻き時計だ。この巻き上げのためにコハゼが新規設計されたことや、コハゼがグランドセイコースタジオ 雫石の敷地内でも見ることのできるセキレイという鳥をイメージされていることなどで、大きな話題となった。

セキレイをモチーフとしたコハゼ。コツコツといった巻き上げの感触を楽しめることはもちろん、このコハゼや、雫石川の流れを表現したストライプ装飾を施したムーブメントをトランスパレントバックから観賞することができる。
このふたつの新しい手巻きモデルの文字盤が、Ref.SLGH005のように、岩手県の白樺林をイメージした文字盤となっているのだ。もっともRef.SLGH005とは異なり、パターンは横方向にあしらわれている。

現在グランドセイコーのオンラインブティックではどちらも売り切れとなっているものの、今後もこういった“白樺モデル”の選択肢が豊富になることを、期待せずにはいられない。

白樺モデルの魅力を堪能しよう
文字盤で白樺林を表現した白樺モデルRef.SLGH005とRef.SLGA009は、それぞれに異なる特徴や魅力が備わっている。白樺林が持つイメージだけでなく、ムーブメントの種類も違う。

それぞれのモデルを比較してお気に入りの1本を手に取り、独特の雰囲気を醸し出す白樺モデルの魅力を堪能しよう。

30年以上にわたって時計業界を取材してきたジャーナリスト菅原茂氏による、

第5回は、ラ・ショー・ド・フォンを代表するブランド、エベルを取材した記録だ。3度にわたって訪れた本社で、菅原氏がとりわけ強く印象に残った言葉とは? なお、この地で出合ったという“謎多きクロノグラフ”も必見だ。

時計産業都市ラ・ショー・ド・フォンから、エベルを振り返る
スイスの時計産業は、ジュネーブやジュラ山脈の山中に開けた平地で発展した。ラ・ショー・ド・フォンもそのひとつ。1990年代半ばから2000年代始めの頃は、バーゼルとジュネーブで開催された時計展示会の期間中に宿泊や取材でよく訪れた。18世紀末の大火で焼失した街を時計産業都市として計画的に整備して復興を遂げたことからユネスコ世界遺産に登録されているが、今や近郊にはカルティエをはじめいくつもの工場が立ち並び、すっかり近代的な時計産業都市へと生まれ変わった。1990年代のラ・ショー・ド・フォンを代表するブランドとなると、ジラール・ペルゴとエベルが双璧だろう。ジラール・ペルゴは1852年、エベルは1911年にそれぞれここに工場を構えた。今回はまずエベルを振り返る。

時の建築家とクロノグラフ
エベルについては銀座和光が代理店だった時代から知っていたが、ジュエリー誌の編集に携わっていた当時はハイソな顧客向けの洒落た時計というイメージでとらえていた。欧米ではロレックスを凌ぐ人気を誇り、著名人に愛用者も多かった。1990年代は輸入商社の日本シイベルヘグナー(現DKSH)が扱い、日本における認知度もぐんと高まった。エベルといえば、ブランドが掲げる「THE ARCHITECTS OF TIME 時の建築家」が有名だ。スポーティーエレガンスをコンセプトにした、モダンでラグジュアリーな時計を得意とするエベルの世界観を伝えるのが、簡潔ながらも意味深長なこの言葉なのだった。

IWCスーパーコピー代引き専門店手元にあった古い資料を参照すると、あの滑らかな曲線にビスのアクセントを配した、ひと目で分かるアイコニックなデザインは、1977年の「スポーツクラシック」に始まり、以下の機械式クロノグラフに受け継がれていたことが分かる。すなわち「スポーツ クロノグラフ」(1982年、エル・プリメロCal.400)、「パーペチュアルカレンダー クロノグラフ」(1983年※、エル・プリメロがベースのCal.136)、「ル・モデュロール」(1995年、レマニア共同開発Cal.137)である。こうして振り返ると、世界でクォーツが全盛を迎え、機械式時計、ましてや機械式クロノグラフがふるわなかった1980年代に、スタイリッシュなデザインによるこれらのモデルそれを発表していたエベルは、スイス時計産業では異色の存在だったと言えるだろう。(※発売は1984年)

1980年代から1990年代半ばまでエル・プリメロCal.400を搭載して人気を博したエベル「スポーツ クロノグラフ」。筆者のモデルは、オフホワイトのダイアルに18Kゴールドの針とインデックスを配し、微細なヘアライン仕上げのステンレススティールに18Kゴールドのベゼルを組み合わせたもので、けっこう高級感がある。独自のビス留めによるクロコダイルストラップ、専用のデプロワイヤントバックルも「時の建築家」らしい計算されたデザインだ。

ダイアルデザインそのものはクラシカルだが、すっくと立つベゼルの内側に配されたタキメータースケールや、ケースに埋め込まれたゴールドのビスがスポーティー感を巧みに演出。クロノグラフは、3万6000振動/時のエル・プリメロならでは10分の1秒計測を可能にする。

エベル本社を3度にわたって取材する
そんなエベル(バーゼル見本市や本社では、EBELをイーベルと発音する者が多い)の時計づくりをこの目で見てみたいと思い、1994年春に工場を初めて訪れた。バーゼル94の会場取材を終え、ラ・ショー・ド・フォン名物の国際時計博物館の見学を終えた翌日のことだった。本社工場でムーブメントやユニークな形状のケースについて取材させてほしいと申し出ると、案内者は「撮影はこちらの許可したところだけを厳守してほしい」と言う。エベルはパリの有名宝飾ブランドも手掛けていた。フランコ・コローニの「TANK」に関する著書にもはっきり書いてあるように、1990年代の終わりまでカルティエ向けのクォーツムーブメントを作っていたのである。もちろんそうした現場は見せなかったわけだが、エベルの製造ラインでも結局撮影はできず、広報画像(当時は35mmポジフィルム)や資料をもらうことになった。

ヴィラ・テュルク

「時の建築家」エベルがゲストハウスに使用していた、建築家ル・コルビュジェの設計による「ヴィラ・テュルク」の前で。外壁を成すレンガの色は、ブランドカラーとして時計の収納ケースやレザーグッズ、パンフレットなどに用いられた。
 工場見学を終えて、社屋近くの建物へと案内された。かの有名な建築家ル・コルビュジェの設計による1910年代の「ヴィラ・テュルク」である。それは「時の建築家」のエベルにとって象徴的な建物だ。エベルはラ・ショー・ド・フォンのランドマークのひとつに数えられるこの瀟洒な歴史的建造物を1986年に購入し、プライベートなゲストハウスとして利用していた。筆者は1995年、1996年と2回もヴィラ・テュルクに宿泊する機会に恵まれた。優雅なヴィラの中でゆったり過ごした時間はとりわけ格別だった。

クロノグラフムーブメントの刷新
さて1996年、エベルの本社訪問3回目は、バーゼル95で発表された最新クロノグラフ「ル・モデュロール」に搭載された新型ムーブメントの徹底取材が目的。対応していただいたのは、技術部のフランソワ・ジラルデとジャン・クロード・ドラプレスの両氏、そしてエベル・ウォッチの造形美を創作するデザイナーのベン・ショダー氏。先に述べたように、1980年代にさかのぼるエベル「スポーツ クロノグラフ」の搭載ムーブメントは、ゼニスのエル・プリメロCal.400を自社仕様にアレンジ。同時代のロレックス「デイトナ」はCal.400を改造したものだから、似たもの同士と言えなくもない。しかし、エベルは、1960年代に設計されたエル・プリメロに残る古い構造に満足できず、何年も前から新型ムーブメントの開発に取り組んでいたという。

ジラルデ氏の発言で今でも強く印象に残っているのは「コラムホイールは時代遅れだ!」という言葉である(今ならどうだろう?)。彼は、パーツの徹底した削減と統合により、コンパクトで高性能のクロノグラフムーブメントCal.137を完成させた胸を張る。さらにCOSC認定クロノメーターの高精度も特徴になった。ちなみにレマニアと共同開発したとの説明もあったことを加えておく。当時の自動巻きクロノグラフムーブメントとしては非常に優秀なこのCal.137を搭載し、時計全体のデザインをさらに洗練させた「ル・モデュロール」は、その後「1911クロノグラフ」と名を変えて人気を博したわけだが、ブランドのあれやこれやのオーナーシップの変転に続いて、2012年にムーブメントのCal.137がユリスナルダンに売却されたと知って愕然とした。あのクロノグラフが終わったとは!

謎多きクロノグラフ「De Berccy」との出合い
最後にラ・ショー・ド・フォンの思い出として、おまけをひとつ加えよう。1996年にエベルを取材したときのエピソードである。街の裏通りを散歩中に見つけた小さな店で出会ったクロノグラフだ。陶器やブリキのおもちゃが並ぶ中に飾られた3本のクロノグラフは、ケースやダイアルのディテールに凝った趣味性豊かなデザインで、シースルーバックから見える自動巻きムーブメントにも彫金と金メッキ仕上げが施され、時計好きを魅了するなかなかの演出に目が留まった。さすがに時計産業都市、街にたくさんの存在する工房を利用して好みのパーツを組み上げれば、こんな特別感のある時計が作れるのかもしれない。そう考えると、このクロノグラフはラ・ショー・ド・フォンの縮図と言えるのではないか。

ラ・ショー・ド・フォンの小物店で見つけた、時計師の個人ブランドとも呼べるクロノグラフ。ダイアルに書いてある「De Berccy」がブランド名なのか、モデル名なのかは不明。コンプリートカレンダー、ムーンフェイズ、24時間式デイナイトなど、複雑時計の汎用ムーブメントとしては多機能を誇り、有名ブランドでも使われている自動巻きETA7751を搭載。
 店の奥の作業台で作っているのは年配の男性。名刺の名はベルツキと読むのか、まあそんな感じで、時計のスペシャリストという肩書が添えてあった。後にバーゼルでダービー&シャルデンブランを取材していたときに判明したのだが、この謎の時計師さんは、ダービーのマスターウォッチメーカーなのだった。そういえば金メッキ仕上げのムーブメントはダービーによく似ている。エベルで最新のクロノグラフを見た後に、まったく対照的なヴィンテージスタイルのクロノグラフもいいなと思い、さっそく購入を決意。値段は900スイスフラン(当時のレートで8万円ほど)だから、コスパ抜群というところだろう。いい買い物になった思い出のクロノグラフは、あれから30年が経った今でも現役。たまに着けて楽しんでいる。

シースルーバックから見えるETA7751のカスタマイズも圧巻だ。高価なモデルには及ばないにしても、パーツの彫金と金色仕上げ、繊細なヘアラインとオープンワークを組み合わせたローター、本物の青焼きか単なる色付けか分からないが、とにかく青いビスなどに思わず見入ってしまう。DBは時計師さんのイニシャルらしいが……。

グルネ仕上げのざらっとした艶消しダイアル、3つのサブダイアルに施されたサーキュラー模様、ゴールド色の針と楔形のアプライドインデックス、顔が描かれたムーンフェイズ、ブルーの数字などが時計好きの目を楽しませる。さらに、ベゼルリングにゴドロン模様、ミドルケースにコインエッジの装飾を加え、ラグはいわゆる「コルヌ・ドゥ・ヴァッシュ」型とまあ、よくぞここまで凝ったものだと感心する。